なぞちゅうのはてなブログRX

30代の特撮好き。特撮以外も雑多に好き。好きなモノを好きな時に色々書くブログ

書評 ヒーローヒロインはこうして生まれる アニメ特撮脚本術を読んだ

 

 KindleVoyageが気になる。どうせ買うなら一番いいのが

いいよね!と思うも、Nexus7でいいじゃんと

購入を踏みとどまった自分を褒めたいなぞちゅう(@nazotyuu)です。

今回は久々に読書感想を。

とりあえずこんな感じの章だてで行きます。

あくまで個人的な脚注です。

井上敏樹×虚淵玄 井上敏樹という人の別格ぐあいを知る
小林靖子×小林雄次 シンケンジャーからニンニンジャーへのバトン
小中千昭×會川昇 原作作品の取り扱い方

特撮好きならこの名前だけでご飯3杯いけるんじゃないでしょうか?(笑)

ひとまずそれぞれの対談の自分の面白いなと思った部分を

ピックアップしてちょっとずつ紹介したいなと思います。

 

まず井上敏樹さんと虚淵さんの対談ですけど、

まぁ敏樹節全開でしたw

虚淵さんの鎧武を執筆した時の話はやっぱり産みの苦しみ

を味わった人の実感がこもっていて見ていてホント

ありがとうございますって言葉が自然に出る感じでした。

とりあえずTwitterで先につぶやいてましたが

こういうことをさらっと言う敏樹さんさすがですw

それこそ小林靖子×小林雄次対談の中でも度々敏樹さんの名前が

出てきますが、

雄次「若い脚本家さんってどんな感じですか?」

靖子「真面目ですよ。勉強せてもらいます的な雰囲気の人が多いと思います。昔に比べて番組を作るのに制約が多くなってきてるせいもあるかもしれないですけど。プロデューサーや監督に合わせて書ける人じゃないと、仕事がしにくくなっているのかなと。玩具の登場に合わせるとか、このネタで書いてっていう要望に答えるとか、3日後までに書いて、とか明日来てくれとか。そういうのに対応できて、体力があって、柔軟じゃないと。逆に俺様系というか作風も本人のャラクターもすごい個性を打ち出して書いている方って減っていると思います。井上敏樹さんはかなり特殊だと思いますけど(笑)

 

もうすっかり敏樹さん俺様キャラになってるしw

 

まぁあれだけ個性的な人じゃないとそれこそ555やジェットマン最終回

なんかは書けないのかなぁと思うとある意味納得したのですが。

ただ敏樹さんのスタンスはぶれてなくて

 

実際、物書きってそれほど視聴者のこと考えてないと思うんだよね。

実際自分が楽しいと思うものを書いてる。自分が楽しいなら視聴者も楽しいって信じるしかないもんね。

 

と言ってますんで、このスタンスで手加減なしに物語を作るのが

井上敏樹という人の強みなのかなと改めて思った章でした。

 

次に小林靖子×小林雄次対談ですが、僕がへぇぇってなったのが

小林靖子さんが「特撮に詳しくないから」という理由で東映

紹介したのが今放送中のニンニンジャーの脚本の下山健人さんと

仮面ライダー4号の脚本を書いた毛利宣弘さんだという話。

 

今度ニンニンジャーで追加戦士がかなりはじけた設定ですけど、

あれって絶対シンケンジャーのシンケンゴールドを参考にしてる

と思うんですよ。

また例の仮面ライダー4号も特撮作品をうまく消化して自分なりの

味をつけれるのが旨い人って考えたら妙に納得した感じがします。

実はスーパーヒーロー大戦の脚本は米村さんよりも毛利さんの方が

合ってるんじゃないかな?

あと、靖子さんがデビューの時に東映に送った特捜エクシードラフト

脚本が採用された理由が「尺が調度良かったから」っていうのは

もう、何か持ってるな~という感じですw

 

最後、小中千昭さんと會川昇さんの対談ですけど、

會川 「僕自身は『鋼の錬金術師』も含めて原作を変える脚本家だと思われてますけど、変えたくて変えることはない。エッセンスがあれば変えてもいいという人もいるにはいますけど、それに関しては答えはないと思ってるんですけど、一つ云えるのは元々昔は原作通りにはアニメや映画は作れないっていう常識だったんですよ。

 

 

これは、それこそ脚本家の人の本質というか料理人で例えるなら

美味しい料理を作るのが料理人であって、自分なりのアレンジを

加えることで良くなるならやるけど、料理するネタの鮮度がいい

ならそんなに手を加えず、その素材が生きる料理法で料理を作るよ

って感じでしょうか?

 

まぁプロデューサーという全体の料理長みたいな人が映画にしろ

アニメにしろ必ずいるわけで、その料理長の指示がその料理人に

どこまで影響を与えているかっていう視点が案外物語を見ている

僕らには抜け落ちがちということもあるのかなと。

 

料理がマズイのはもちろん料理を作った料理人の人の力量も

あるでしょうが、そのマズイ料理を提供したお店の主である料理長も

また同罪なんじゃないの?という至極当たり前のことを改めて考えさ

せられた感じがしました。

 

少なくとも脚本家やプロデューサーの人は面白い作品を見る人に

届けたいって思って作品を書いているのだから、それをきちんと

受け止めて率直な素直な感想を言うのもまた僕らのつとめかな

と思います。

 

いつも面白い作品を届けてくれる脚本家の方には本当に頭が下がります。

とりあえず、なぞちゅうが気になったポイントだけかいつまんで

ダラダラと書いてみましたが、本書を手にとって作品を生み出す

力の源を感じてみてください。

 

なぞちゅうの評価は星5つです。

 

今日はこのへんで。

でわでわ、またね。